雨を待っていた生き物と虫たちの役割
ノロノロ台風接近のため、連日の雨で嫌ですねぇ。。
洗濯物も生乾きになるし、気持ちも滅入ってくるし、あまり人間にとっては嬉しい物ではありません。
しかし!自然界には、雨を楽しみにしている生き物もいます!
亀山温泉ホテル玄関脇の庭石を見たら、何と5匹のカタツムリがいました!!
夏の猛暑を乗り切り、やっと雨が降った!!と思って一気に出てきたのでしょう。
彼らにとって晴れは最大の敵、乾燥して干からびてしまいます。
晴れた日はこのように葉の裏などにピタッと入り口を塞いで貼り付き、乾燥しないように我慢しています、雨の日がやってくるまで、とにかく耐え忍びます。
亀リトは特徴が明確な自然体験型リトリートです。
あまりリゾートホテルと大きく変わらない、名前だけのリトリート施設が増えてきている中で「虫リトリート」という、業界の度肝を抜くジャンルをスタートしています。
※ちなみにカタツムリは虫ではなく、貝の仲間です。
虫がいただけで「ギャア!!」と奇声を上げる、室内に虫がいただけで大きなクレームになる、とにかく虫を排除するようなスタンスではリトリートと言えないと思います。
亀リトでは、例えばグランピングドームの中には殺虫剤の代わりに虫取り網が置いてあります。「虫にも彼らの役割があります、見つけたらそっと外に逃がしてあげてください」と言葉を添えて。
ゴキブリや刺してくるような虫は別として、リトリートは自分の方から自然に分け入る訳で、虫がいる方が本来の自然の姿です。
リトリートの現場では虫の方が先住者、人間の方がビジターです、自然と共生していく意識が大切だと思います。
虫達にも彼らの役割があり、彼らの役割に気づく事は、人間社会に当てはめても大きな意味があります。
例えば、先日のカブトムシ・クワガタ捕りの時です。
夜の外灯に集まるカブトムシやクワガタを探して、参加者の皆様を連れて亀山湖周辺の外灯めぐりをしていました。
水銀灯など虫が集まってくる外灯を探しては、その明かりに集まっているカブトムシやクワガタを探したのですが、あるクワガタが捕れたポイントでの事です。
お子様は、クワガタを見つけて大はしゃぎ!私もガイドの役割を果たしてホッとしていたところ、公衆トイレの脇にセミの死骸が落ちていました。
そこに、自然界の分解者である夜行性のオサムシが集まってきていて、セミの死骸を捕食していたのです。
すでに食べられて胴体はなく、羽だけになったセミの羽部分を何とか食べられるか、羽を動かしたり、角度を変えてかじっているようです。
この時私は、人知れず、けなげに生きる虫の姿に、何とも言えない夏終わりの情緒と感動を覚えました。
夏の亀山湖は、昼間はセミの大合唱、ひと夏で数えきれないくらいのセミが羽化しています。
するとどうでしょう?オサムシのような虫の死骸を食べてくれる分解者の存在が無いと、その膨大な数のセミは夏の終わりに例外なく死ぬのですから、秋の地面にはセミの死骸だらけになってしまいます。
しかし現実を見ると、秋にはもうセミの死骸は地面にありません。
オサムシのような、虫の死骸を食べる役割の分解者たちが、夜のあいだに人知れずゴソゴソと這い出てきて綺麗に食べて片付けてくれるからです。
そのことを、参加者の皆さまにもお伝えしました。
(見た目はグロテスクなオサムシ)
私たちは、カブトムシやクワガタのような、形のかっこいい、人気のあるアイドルのような虫を探して夜に外灯をまわっていたのですが、その足元に、目立たない、グロテスクな虫達が頑張ってくれていることに感動を覚えたのです。
この楽しさは、自分の方がビジターになり、自然に分け入って虫の役割を見つけに行かないと分かりません。
ぜひ皆様にも、このような虫の世界を知って頂きたい。
そんな思いを持って、虫リトリートを開催しています。
次の虫リトは「9月7日、9月14日に開催予定です!!」※日が合わなければ別途リクエスト開催いたします。
お気軽にお問合せください、一緒に虫たちの役割を見つけに行きましょう、お待ちしております。