キングカズ三浦知良さんとの思い出
昨日はグランピングのお客様がレイクリトリートにご参加され、刈りたての夏草の匂いを感じながら亀山湖周辺を散策しました。
カブトムシの木の甘酸っぱい匂い、お客様も子供の頃に嗅いだ事があるようで原体験を思い出されていました、匂いは記憶と直結していて、様々な事を思い出させてくれます。
私(亀リト担当 豊島)も夏草の匂いを嗅ぐとサッカーの芝生を連想し、キングカズこと三浦知良さんとの思い出が蘇ります。
元々、私はテルムマラン(※)で自然療法のセラピストをしておりました。
※テルムマラン・・・フランスの海洋療法施設テルムマラン・サンマロとライセンス契約を交わし、日本にも勝浦や横浜に本格的な転地による海洋療法が体験できる施設として建設された、豊島は勝浦と横浜の両方に勤務。
バカンスの習慣のあるフランスには、リトリート(転地療法・療養)を目的とするタラソテラピーセンターが数多く作られ、日本にもリトリートの文化を根付かせたいと、上場企業の子会社ベンチャーで日本のテルムマラン(フランスのテルムマランは健在)は1997年にオープン。
健康運動指導士の私の役割はセラピストとしてリトリート中のゲストさんへの運動療法、ヨガや森林浴セラピー、健康セミナーなどです。
最初はリトリートを目的とした健康運動指導士や管理栄養士を配置するような施設だったのですが、エステが良く売れるからと美容に偏り過ぎ、そのうち都市のエステ施設と変わらなくなり、自然の中にあるセラピー施設の優位性を失い最後には潰れてしまいました。経営者のその時、その時のブレが大きく経営に打撃を与える事を痛感することになります。
https://www.talaso-izumo.jp/(ブレずに現存する日本のタラソテラピーセンター、マリンタラソ出雲。豊島がオープニングスタッフ研修を担当)
セラピスト業務の傍ら、会社の業務としてはテルムマランの会員制クラブのチームリーダーとして、販路開拓のマーケティングや様々な会員イベントを開催、リーダーを引き継いで1年半後には会員数2.5倍、売上3倍を達成と、会社自体は赤字だった物の私の部門だけは右肩上がりの黒字で大変勢いに乗っておりました。
ペンチャーで企業風土は新しく、何でもチャレンジさせてもらえました、オペラディナーショーの開催や、実際に教会の牧師や聖歌隊をお招きしての本物のゴスペル&キャンドルサービス体験、事業所が炎に包まれたような派手なバンブートーチのイベント演出(当時は消防法の事を知らなくて、、時効と言う事でごめんなさい)など、自然遊びで鍛えた発想力で、水を得た魚のように次々と新しい事を仕掛けます。
サウナのロウリュも熱波もやっていました。。なので初代熱波師です(笑)
失敗も多かったですが、あらゆる角度からのチャレンジを通して、机上論ではなく実践を通した生身の肌感覚でビジネスを学ぶことができたのはとても大きかったです。
様々な経験をしてプロジェクトが成功する時は、必ず一種のノリのような物があり次々と協力者が現れ、それが流行りやニーズなどの外部環境と合致した瞬間があり、達成感があること(勝ちグセ)
逆に失敗する時はメンバー内で足の引っ張り合いが起きていたり、未知へのチャレンジの抵抗で反対の為の反対意見が蔓延する、外部環境に逆風が吹いている事など合致した瞬間が無く、達成感も無いこと(負けグセ)
プロジェクトワークの成功の要諦は、内にも外にも勝ちグセを付けて行くことであり、いかに負けグセを予防するかであると学びました。
これらは失敗が許される企業風土で、成功も失敗も両方経験しないと絶対に体得出来ない、本当に貴重な貴重な学びで、プロジェクトワークに取り組む土台を作ってくれた事に感謝しております。
さて、当時スポーツの世界ではアクティブレスト(※)が流行っており、テルムマランでは様々なプロスポーツ団体のアクティブレストを受け入れていました。
※アクティブレスト・・・積極的休養と呼ばれる休養法、プールでの軽運動や陸上でのレクリエーションなどを通して、ストレスを解消し新陳代謝を活発にする。ただ安静にして体を休めた場合よりも、疲労回復のスピードが早まる事が知られている。
その時、定期利用してくれていたチームこそ、キングカズこと三浦知良さんが当時在籍していたチームです。
海水プールでのアクティブレストでは、他の選手達が練習を終えてロッカーに着替えに行っても、カズさんは少し残ってプールでのダッシュなどの練習をしています。
カズさんを知らない人が見ても、この人が一番意識が高いと思うでしょう。きっと普段でもそうされているのだと思います、他の人達が引き上げてからも、ピッチに残って人より少し練習する、と。
他の選手達が着替えている間、プールにはカズさんと私だけ、同じ空間で世界のカズさんと2人だけというシチュエーションは、何とも贅沢な時間でした。
サッカーチームにはプロのコーチやトレーナーが同伴していて、選手が我々に意見を求める事は通常ありません、他の選手は何も聞いてこなく、コーチやトレーナーの指示通りに動いていましたが、カズさんだけは違いました、プラスになる事は何でも聞いてきます。
きっと、その分野にはその分野の人しか分からない事があると、カズさんなりの肌感覚があったのだと思います。
カズさん「これって海水だからシャワーで洗い流さない方がいいんですよね?」
私「そうですそうです!ベタッとはしますけど保湿と保温が長引きます」
サッカーの事は何も私は分からないので専門的な事ではなく、ちょっとしたアクティブレストのお話です。
一番、印象に残った会話は、
私「カズさん、今日はどこが疲れています?」
カズさん「大丈夫です!!」と、
おお、、シーズン終盤で疲れもピークのはず(そもそも疲れを取りにいらしている訳ですから)ですが、本物のプロフェッショナルってマイナスな事を言わないんだ、、と感心していると。。
プールから出る去り際に振り返り、
カズさん「(本当は)全部疲れています!!笑」
と、あのテレビでも時折見せてくれる、少年のような笑顔で言われたのが忘れられません。
当時、カズさんは43歳、12年経った今でも現役最年長のサッカー選手として活躍されています。
それからカズさんの活躍をテレビのニュースや新聞で拝見する度に、疲れた時でも、大変な時でも、カズさんのようなポジティブな笑顔でいられるよう、自分自身も在りたいなと思って勇気づけられています。
そして、テルムマランでは果たす事が出来なかった夢、日本にもリトリートの習慣が根付くよう尽力し、この地、奥房総をリトリートの聖地にしたい。
転地療法により疲れを癒す現代のオアシスとして、皆様が笑顔になれるような楽しい自然体験や、ヨガや薪割り体験などのアクティブレストを亀リトではお届けしたいと思っています。
8月はお陰様でほぼ満室、コロナの影響も無くなりました。
私の毎日も大変忙しく、今日は焚き火リトリートを3組様もご予約頂いているのに、薪割りを後回しにして涼しい室内でこんなブログなどを書いてしまっています(笑)
でも、思い出す必要があったから原体験として思い出したのだと思います、これも、今のタイミングで思い出せという自然からのメッセージのはず、きっと誰かの心に響くストーリーだと信じて書きました!
今日は35℃以上の猛暑日!今夜は焚き火リトリート3組様!
亀山温泉の薪割り王子、今から外に出て薪割りしてきます!!
「大丈夫です!!!」